フライホイール着磁

6Vカブ フライホイール磁力測定・着磁

6Vカブの点火・発電は、フライホイールの磁力に支えられています。

特に製造から50年以上経過したフライホイールでは、
磁力が40%以上、個体によっては60%以上低下しているケースも確認されています。

ただし、減磁は外観では判断できません。
当店では、磁力測定 → 可否判断 → 必要な場合のみ着磁、の順でご案内します。

着磁は改造ではなく、本来の磁力状態に近づける整備です。
減磁が進んでいる個体ほど、始動性・点火安定性・発電状態の改善が現れやすくなります。

6V専用 磁力測定 再着磁 成績表プラン ジェネレーター点検

対象車両(重要)

当店の着磁は「2コイル構成の6Vフライホイール」のみ対応です。

  • 条件:フライホイール内の磁石が4個・4極(S/N/S/N)
  • 直径:113.8mmまで
  • 適合例:C100 / C105 / C110 / C111 / C115 / C65 / 6VのC50 / C70 / C90(※一部除く)

※C90は一部ラージケースエンジンのフライホイールは着磁不可の場合があります。
※治具の関係で12V車は現在対応していません

上記条件を満たす場合、カブ以外の同系横型エンジン
(DAX / シャリー / モンキー / ゴリラ等)も対応可能なケースがあります。
まずはお問い合わせください。
他車実績:リトルホンダPC50、ロードパル

フライホイール適合条件(直径113.8mmまで・4極)
適合条件の目安:直径113.8mmまで/4極(S/N/S/N)

6Vマグネト対応拡張のための調査

現在、当店ではC100系以外の6Vフライホイールマグネトについて、 将来的な再着磁対応拡張を検討しています。

同年代〜さらに古い機関、 バイク・船外機・小型発動機など 類似構造のデータを収集しています。

※12V車は対象外です。
※現物発送はまだ不要です。

フライホイールの役割

カブのエンジンには「ジェネレーター(発電機)」があります。
そこには主に2種類のコイルがあり、点火エネルギーを作るコイルをエキサイターコイル
バッテリー充電や灯火類の電気を作るコイルをチャージコイルと呼びます。

そして、これらのコイルを発電させるために必要なのがフライホイールです。
フライホイールの磁力状態は、点火・発電の土台そのものです。

フライホイールとステーターベース(エキサイターコイル/チャージコイル)
フライホイールとステーターベース(エキサイターコイル/チャージコイル)

こんな症状はありませんか

フライホイールや各コイルは時間とともに劣化していくため、6V車では電気系トラブルが目立ちやすくなります。

  • エンジンがかかりにくい
  • アイドリングが不安定/ライト点灯で止まりそうになる
  • 日によって調子が変わる
  • ある程度走行すると急に止まる
  • 灯火類が暗い/不安定
  • コイルを巻き直したのに状態が揃わない
  • バッテリーが上がりやすい

※上記は減磁以外(配線・接点・コイル・コンデンサ等)でも起こります。測定結果を基に判断することが重要です。

なぜ減磁が起きるのか(主な要因)

経年・熱・電装トラブル

チャージコイルやエキサイターコイルが経年劣化すると
ショートや過熱が起こりやすくなります。
その過熱が磁石へ影響し、磁石の組織変化によって減磁が進む場合があります。

物理的要因(擦れ・削れ・錆)

実車では磁石の擦れ・削れ・欠け内部錆の進行などの
物理的要因が関与している個体も多く見られます。
磁石は形状・体積の変化でも磁気特性に影響します。

特に製造から50年以上経過したフライホイールでは、 磁力が40%以上低下している個体が多く、 状態によっては60%以上低下しているケースも確認されています。
当時の未使用品であっても例外ではありません。

着磁とは

着磁とは、外部から強い磁場を与えることで磁力を回復させる作業です。
磁力回復だけでなく、磁化のばらつきが減ることでより均一な磁場形成につながります。

着磁するとどうなるのか?

減磁の影響が大きい個体ほど、変化を感じやすい傾向があります。

変化として現れやすいのは、たとえば次のような部分です。

  • 点火が強くなることで始動性が上がり、アイドリングの安定性が増してくる。
  • 調子のばらつきが減るので、セッティングが出しやすくなる。
  • 発電量の回復により、灯火類が明るくなり動きにキレが出る。
  • 充電状態が安定し、バッテリーへの負担が軽減されやすくなる。

磁力測定について(最初に行う工程)

フライホイールの磁力低下は外観では判断できません。
当店では到着後、まず磁束密度の測定着磁の可否検査を行います。

検査により 「着磁が必要」「着磁しても差が出にくい」「着磁不可」 を切り分けます。

着磁の可否は検査結果によって判断されるため、検査を行わなければ分かりません。
着磁が出来ない場合でも検査料(税込7,700円)が発生します。

磁束密度測定・評価環境(PCと測定機)
磁束密度測定・評価の環境(測定結果を見ながら可否判断を行います)
フライホイール測定シーン(セット状態)
測定シーン(フライホイールをセットして評価します)

着磁の条件(再掲)

  • カブ6V車でフライホイール内の磁石が4個・4極(S/N/S/N)
  • 直径113.8mmまで
  • 適合例:C100/105/110/111/115、C65、6VのC50/70/90(※一部除く)

依頼方法/納品までの流れ

  1. お問い合わせ:車種・症状・分かる範囲の情報をフォームから送信してください。
  2. 依頼品発送:フライホイール(必要に応じてステーターベースも)を元払いでお送りください。
  3. 到着後検査:磁束密度測定+着磁可否検査を行います。
  4. 着磁作業:可能な場合、専用工場で着磁を実施します(各磁石を個体の最大値まで)。
  5. 返送:作業完了後、依頼品を着払いで返送します。
配送梱包の注意(開く)

衝撃対策として新聞紙・エアーキャップ・タオル等で全周を包み、ダンボール底にも緩衝材を敷いてください。
輸送中に依頼品が動かないよう固定してください。

配送先
201-0004 東京都狛江市岩戸北1-5-21 バイクショップ市原屋

作業プランと料金

プラン 内容 料金(税込) 送る物
フライホイール着磁のみ 着磁前/後の簡易測定を含みます。
※着磁が出来なかった場合でも検査料(税込7,700円)が発生します。
17,600円 フライホイール(元払い)
フライホイール着磁(詳細成績表付き) 着磁メーカー様による性能測定を行った成績表を添付。
定点測定/波形比較/各極最大値/波形面積比較などを評価します。
23,000円 フライホイール
(元払い)
ジェネレーター点検プラン 症状の原因の絞り込みが必要な方向けの総合判断。
フライホイール検査、着磁(必要時)、コンタクトブレーカー、コンデンサ、エキサイターコイル等を確認します。
※交換部品代は含みません。
簡易成績表:25,000円~
詳細成績表:29,500円~
フライホイール+
ステーターベース
(元払い)
各電気系統の総合点検プラン
(車両預かり)
車両をお預かりして電気系統を総合点検。
点火系:ポイント/コンデンサ/エキサイター/IGコイル/HTコード/キャップ/プラグ/ハーネスまで。
充電系:コイル/結線/セレン(ダイオード)/バッテリーまで。
簡易成績表:35,000円~
詳細成績表:39,000円~
車両持込
(自走/引上げは要相談)
成績表サンプル(波形比較・測定値一覧)
成績表サンプル(波形比較/測定値の一覧)

※本作業は6Vフライホイールマグネトー車専用です(12Vは現在対応していません)。
※納期:着磁のみは2〜3週間が目安。点検プランは部品状態により変動します。お急ぎの場合は事前にお知らせください。

注意事項(必読)

  • 磁気が著しく低下しているもの、錆が重いもの、磁石の擦れ・欠け・削れが大きいものは、
    着磁が成立しない場合があります。
  • 着磁の可否は検査で判断します。着磁不可の場合でも検査料(税込7,700円)が発生します。
  • 着磁後は磁力状態が変わるため、従来成立していた点火バランスが変化する場合があります。
    必要に応じて点火調整をご案内します。
  • 「ライトが劇的に明るくなる」「パワーアップする」等を保証する作業ではありません。
    目的は本来の磁力状態へ近づけることです。

よくある質問(FAQ)

Q:ライトは明るくなりますか?

減磁している個体では、発電量の回復により明るさの変化を感じる事が出来ます。

灯火の状態は配線・接点・コイル・バッテリーなどの影響も受けるため、
明るさの変化には個体差があります。

Q:バッテリーの充電状態は良くなりますか?

減磁が発電不足に影響していた場合は、充電状態の改善が見られます。

充電不良の原因は複数あるため、
着磁のみで全てが解決するとは限りません。

Q:体感できますか?

減磁している個体では、始動性や点火の安定性、発電状態などに大きく変化が現れます。
実際に「始動性が安定した」「調子のばらつきが減った」といった変化を体感されるケースもあります。

※変化の大きさは減磁の程度や車両状態により異なります。

Q:12V車は対応できますか?

現在は治具の関係で6V・2コイル仕様のみ対応です。

Q:まずは適合確認だけしたい

可能です。フライホイールの写真や車種情報を添えてお問い合わせください。

迷った場合は、まず「適合するか」「測定だけ希望」でも構いません。
測定結果を見てから、着磁の必要性を一緒に判断します。

適合確認や測定のみのご相談も、お問い合わせフォームからお送りください。